センター長あいさつ
センター長 横山 寿行
造血幹細胞移植は白血病などの血液疾患に有効な治療法であり、疾患の種類や病期に応じて「骨髄移植」、「末梢血幹細胞移植」、「臍帯血移植」のうち適切なものが選択されます。東北大学病院は、東北地区で唯一の厚生労働省の造血幹細胞移植医療体制整備事業を担う「造血幹細胞移植推進拠点病院」(以下、拠点病院)です。東北大学病院は拠点病院として、東北地区の造血幹細胞移植を推進するとともに、造血幹細胞移植医療の体制整備を進めていくことが求められていますが、そのためには以下のミッションを果たしていく必要があります。
1.東北ブロックにおける骨髄の早期採取の推進
2.東北地方における病院間連携を通じた移植専門医の育成
3.造血細胞移植コーディネーターの育成と地域への配置
4.造血幹細胞移植にかかわる医療従事者に対する研修
5.拠点病院における造血幹細胞移植の推進
6.他院からの積極的な移植患者の受け入れ
7.造血幹細胞移植における多職種診療体制の充実
8.移植患者の長期フォローアップ体制とかかりつけ医との連携システムの確立
造血幹細胞移植が難治性血液疾患に対して必須の治療法として確立され、長期的なフォローアップを必要とされる患者さんが増えている現状を鑑みると、この中で8のミッションは極めて重要なミッションであると考えています。慢性疾患の治療や健康チェックなどが必要となった移植患者さんを長期的にフォローするためには地域の非移植専門医の先生との連携が必須であり、そのためには非移植専門医であるかかりつけ医の先生方や移植患者さんが必要とするサポート体制や相談窓口の設置が重要です。そこで、今回東北大学病院では造血幹細胞移植支援センターを開設することにいたしました。このセンターには移植専門医、HCTCが配置されており、これらの専門職が非移植専門医の先生方や移植患者さんのサポートを行います。このセンターを介して、より細やかで充実した移植患者さんの長期フォローができるよう東北大学病院は移植医療の拠点として、努力してまいります。